「競馬場に行かなくなったわけ」
今日はちょっと重たい話を...。スルーしてください。
週末は日本ダービー。私は1989年から昨年まで、個人の趣味として競馬の写真を撮り続けていました。
毎週のように競馬場へ行って撮影。写真はホームページで公開し、何度か雑誌などにも紹介されました。
本来ならこの時期はクラシックシーズンなので、ワクワクして競馬の事ばかり考えているはずなんです。
1年前のオークスの直前、私の父親が病気になりました。うつ病です。
いちど9年前に発症して、その時は奇跡的に回復したんですが、心の病いなので、とにかく患者から目が離せなくなります。何をするかわからないからです。
怖いのは自分も精神的に不安定になる事です。いつも一緒にいる人が突然奇妙な言動をし始めると、周りが、それが病気のせいだと認識するのは結構難しいです。
介護に追われて消耗してくると、自分の方がおかしいんじゃないかと思うようになります。
うつ病は表情に特徴があります。光を失い、ぽっかりと黒い穴が開いているような目をしています。そんな目を見ていると、ダークサイドに引き込まれそうな感じがして背筋が凍ります。
そうなると趣味の競馬どころの話しではありません。
昨年すばるラインを上った時、ゴールする事ができたらきっと父親の病気が良くなる...と願をかけていました。自分がそんな神頼みみたいな事考えるなんて、今思うとすでに相当マイっていたと思います。
結局父の症状は悪化して半ば強制的に入院させました。その後いろいろあったのですが、なんとか良化して9月前に退院。今はうつ病は薬で治る時代なんですよ。ただ合う薬が見つかるまでが大変なんです。
現在は回復してまずまず元気で社会復帰しています。
9月といえば秋競馬。しかし父親が退院した後も競馬場へは行ってません。
理由はふたつ。
前に父親が入院した時は脳梗塞が引き金だったのですが、倒れた時に私は京都競馬場にいました。
自分がずっと鉄火場に通っていたせいかもしれない...そう考えると、しばらく競馬には行けそうもないです。
もうひとつの理由。時代はディープインパクトがブームになっていて、世の中すごい盛り上がり。
三冠・菊花賞前後のフィーバーぶりや、有馬記念で負けたあとの号泣しているファン。
そんなシーンを見れば見るほどシラケてしまって、感情移入ができなくて戸惑いました。
自分の中であれだけ情熱を注いでいた競馬なのに、突然何も感動できなくなってしまったのです。
これって心の病いでしょうか...。
その昔、ミスターシービーのファンたちの中には、シンボリルドルフの出現によって競馬を見なくなった人も少なくない...なんていう話しはよく聞きます。
それと同じかもしれません。私のアイドルホースは素敵な想い出をたくさんくれたナリタブライアンなので。
カレ以上はいないんです。これから先も。自分の中では。
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